『Mr.デリバティブの成り行き相場ざんまい メールマガジン』バックナンバー

2012年02月14日号:「きついノルマと販売する商品の結果は?」
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  【 Mr.デリバティブの成り行き相場ざんまい メールマガジン 】

  フェアラインパートナーズ株式会社 関東財務局長(金商)第2587号

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   ■■ ~ きついノルマと販売する商品の結果は? ~ ■■

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私の一つ上の先輩の営業マンにSさんという人がいました。彼は本当に仕事
(ノルマ)ができなかった。もちろんセールス電話も普通にするし、営業も
出かける。だが出す数字がいつもいつもビリでした。
彼のお父さんはアコムの役員かなんかで、アコムが公開の時に「少し冷やし
玉でも出しましょうか?」なんて軽口を叩いていましたが、当時金のない一
般庶民に対し、30%近い金利を取っていたサラ金屋があの当時、公開成り金
になって何億も手にしたのです。

ここでサラ金の話をもう少しさせてもらうと、私が入社した当時は公定歩合
も高く、大手のN証券ではチャンスなどという公社債投信で年間8%以上回っ
ていました。とは言え、サラ金は年率30%近い利息を取っていたわけで、
一度サラ金から100万でも借りようものなら、年間30万円の利息を払わねば
ならないわけです。証券マンの中にも安月給では足りず、遊興費や買い物な
どの資金をサラ金から調達する人も多くいました。

3割近い利息を取られると、まず月々の支払いは利息分プラスアルファ程度
で、元本は減りません。サラ金は普通に返済していれば、そして普通の上場
企業で安定した収入のある会社員であれば、どんどん借り越し枠を増やしま
すので、あっという間に借金は500万、1000万に膨れ上がります。こうなる
ともう、ヒルに吸い付かれたようで毎月の返済が精一杯で元本が全く減らな
い状況に陥ります。

証券マンの場合、基本は相場を張るのが好きなので、自分で隠し口座などを
作って売買する人もいましたし、一方で顧客に損失補填を迫られ、客に損金
を払うためにサラ金などから人間も出てくるわけです。
これも会社から無理な営業を強いられて、客と仕方なく保障を口約束してし
まったとか、向こう見ずな行動が招く不幸であります。
どれだけ証券マンが間違いないと言っても、それは相場のこと。
マーケットに絶対はないのです。

とにかく、そんなこんなでサラ金に手を出してしまった証券マンは、景気の
良い時であれば、ボーナス300万とかを手にした時に一括してサラ金やカー
ドローンで借りた金を一発できれいにするわけです。
もちろん一時的ですが、その後はまた新たに与信枠ができると、それで飲み
食いや遊興費に使うという悪循環の繰り返しです。

現在は貸金業法で上限金利がサラ金でも15%程度で、年収の1/3までとかし
か貸さないという規制ができましたが、それまではサラ金屋ごときが飛ぶ鳥
を落とす勢いで伸びていたわけです。
あの、無人君やどうするアイフルのチワワちゃんのCMなんかがバンバン流れ
ていた頃がピークです。
最近はめっきり見なくなりましたが、銀行がサラ金屋のうまみを買収して同
じことをやろうとしたわけですが、そうなってからは過払い金の返還請求が
どんどん始まり、払い過ぎた金利をサラ金が客に返すようになり、サラ金屋
はどんどん消えて行くことになります。

サラ金の返還請求で大儲けしたのが、弁護士です。返還請求の仕事で一時は
大忙しで、そればっかり専門にやってる弁護士事務所もあったほどです。
反対に影響を受けたのがパチンコ業界。サラ金が金を貸さなくなったので、
パチンコ屋に出入りする主婦などが金が回らなくなり人が減って、潰れるパ
チンコ屋が出てきました。
結局そういうギャンブルに狂った人間は、もう中毒ですからどうしてもパチ
ンコが止められず、そうなるともっと金利の高い危ないところに金を借りる
ようになります。

これでトイチ金融(10日で一割の利息)やトゴ金融などの無許可の金貸しが
横行しました。博打の金は博打で返すなどという短絡的な志向の負け組は、
知らず知らずのうちに泥沼にハマり込んでいき、最後は破滅するしかなくな
るわけです。トイチ金融はのちに、オレオレ詐欺などに転じ、一時期の歌舞
伎町や六本木のキャバクラなどは、そういうアウトローな金を手にした連中
ばかりの状況になりました。市川海老蔵さんじゃありませんが、まともな人
間は夜中の2時3時に六本木や麻布十番などで飲み歩いたりするものではあり
ません。

こまったもんだなぁ、と思うのはオレオレ詐欺のお陰で、銀行から金をおろ
すにも一日50万までとか、セブン銀行も一回20万までとか金を自由に引き出
せなくなって困ったものです。
常識ある人間なら「オレオレ詐欺なんかに引っかかるかねぇ」なんて思うで
しょうが、世の中には色んなレベルの人がいるわけで、日本中が総馬鹿化し
てる傾向は、痛いほどに感じる次第です。これから将来に国債が暴落でもし
て、銀行に取り付け騒ぎなどが起きた時などでも、きっとえらい面倒なこと
になるはずです。

いわゆる「弱者食い」と言われる、無知で弱いものは徹底的に絞り取られる
わけで、先日食事に行った私の近くの友人にも未公開株詐欺に騙された人が
いて驚きました。我々のようにプロ、少なくとも金融機関に勤務している人
間であれば、普通は未公開株など一般庶民の手になど入るわけもないのはわ
かっていますが、素人さんは騙されてしまうのですね。良くTVなどにも詐欺
の話は出てきますが、甘い言葉で儲け話を持ち込む人には気をつけて下さい。
大体はその人の外見や経歴を見ればわかるのですけど、コロリと騙される連
中が沢山いるのです。
私も周りでも、生まれついての詐欺師だなコイツはという奴を何人も見てき
ました。その辺の話は、メルマガの中で、おいおいしていきます。

話が横道にそれてしまいましたが、私が最もショックを受けたのは、このサ
ラ金屋の息子、Sさんのいじめられっぷりでした。
証券会社でノルマの出来ない営業マンの苛められ方は、それはそれはひどい
ものでした。よその会社では想像できないかもしれませんが、人間性無視の
罵倒、ののしり、悪口、それも大勢の見てる前でプライドをくじくようなこ
とを平気で言います。女性社員の前でもです。

ある日、Sさんが夏休みを前にして直属の営業課の上司に「次長、明日から
夏休みを頂きます」と報告にいくと、次長は「永遠に休んどってええでぇ~」
と目も見ずに彼に言っていました。その姿をみて、私はなんて恐ろしいとこ
ろに来てしまったんだと思うと同時に、このざまだけはなりたくないと思い
ました。毎日毎日針のむしろの上に座ってるような状況でも、仕事が終わる
とSさんは明るく、どうしてやめないのかなぁ?と思っていました。結局、
私がこの支店を去るまで彼は残っていましたが、その後の消息はわかりません。

私が配属されたのは、営業1課で、同期のH君は2課でした。
1課の営業課長は次長で、毎日毎日真っ青で下がる株価ボートを見上げて、
腰に左手をあて渋く煙草の煙を流して立っているような人でありました。次
長が選んだ銘柄を、1課全員でため込んだり、推奨したり客に売り、株式手
数料を上げていました。当時の営業課長は株式手数料を落とすために、ファ
ンドマネージャーのように、銘柄を選び何を買うか部下に命令するのです。
今思えば、何の相場センスもないいち営業課長が、チャートブックを手に銘
柄を選び、それを顧客に薦めていたわけです。
個別の営業マンには銘柄の選択権もありませんし、相場観もあるばずもない
のですが、単なる売り子ですからねぇ。
新入社員としては「あー、次長は相場師だなぁ。格好いいなぁ」なんて当時
は思いましたが、下がり続ける相場の前では、どんな銘柄を買おうが、結果
は同じでした。投信を売れば半分になる。株を売ればすぐに3割は下がる。
そんな毎日でした。

当時の証券会社のノルマには15時の大引けまでは、株の手数料のノルマ、15
時以降は投信や債券(外債、CB、ワラント)、株の公募など募集物のノルマ
の二本立てでした。
ノルマの刈り取り方法は、次回のメルマガで話すことにします。

新入社員の営業マンの仕事は、新規顧客の開拓です。当時はあった高額所得
者名簿に片っ端から電話して営業電話をかけたり、朝から晩まで、外を歩か
され飛び込み営業をすることになりました。
5月半ばから、夏の終わりころまで、毎日毎日何十キロもあるいて中小企業
に飛び込み営業をしました。最初の頃は、今日は一日100件の飛び込み訪問
をやろうなんて、目標を立てるのですが、10件も連続して飛び込み営業をか
けて、無視されたり、目も見ずに背を向けたまま速攻断られたり、居留守を
使われたり、すぐ嫌になってきます。
上司は、何件回ったのか訪問先の名刺をもらってこいといいます。
一度外回りに出れば夕方まで支店には帰れない。そんな散々な毎日が新入社
員の日常なのです。

飛び込みされる客側としても、毎年春になると地獄でしょう。
メインストリート沿いの中小企業は、各証券会社20社ほどの新入社員が入れ
替わり立ち替わり、「こんにちは、何々証券の●●です」なんて、飛び込み
営業をかけてくるのですから。
まともに相手する気にもなれないはずです、仕事をやる妨害でしょう。飛び
込みでは、元気な声で「こんにちは~」と入っていっても、そこの社員が何
も言わず「しーん」とされてしまうのが、恥ずかしいし、その場にいるのが
つらいものです。私は経験がないのですが、同期のH君は、名刺を渡すとそ
の目の前で、ビリビリに破られて、罵倒されたりしたそうです。

毎年毎年、同じ飛び込み営業が繰り返されるわけで、先輩も「あの会社は俺
も飛び込んだことがある。お前落としたのか?」なんて話題になります。
今、TVコマーシャルに出てくる「何とか設計」なんて建設?会社があります
けど、先輩から、「あそこの会社の社長は怖いぜ、やくざみたいなんや」な
んて聞かされて、「あー、あの会社で家を建てるのはやばいんだな」なんて
今も思う次第です。でも、当時から会社がでかくなったもんだなぁ、大した
もんだなと思ったりもします。

そうこうしてる間に数カ月がたつと、そろそろ次長も私に成果を求めてきま
す。たまたま夏頃だったかな、ホソカワミクロンという会社の公募かなんか
が支店にきて、「これお前が売れ」と言われて、日頃訪問している客のとこ
ろに、同行訪問するから連れて行けと言われました。
公募といっても1000株で1500万円かそこらする値がさ株で、そんなポーンと
買ってくれる客などいるわけもないのですが、次長にはいつも通ってコミュ
ニケーションを取っている客のところに連れていき、横でセールストークを
聞かされました。

結局売れなかったが、新人の営業マンは客とアポとって同行訪問し、上司の
セールストークを聞いて、それで客との話のすすめ方や営業のやり方を覚え
るというのが、当時のスタイルでした。

飛び込み営業で、証券会社の営業マンです、なんて客のところに行くと、
「株なんか買わないよ、それより土地だよ、お前も土地を買うといい」
なんていう客が沢山いました。
「金なんてなくたっていいんだ、銀行が貸してくれっからよ」なんて、今で
は笑えない話が当時はまだあったのです。
まだバブルが完全にはじける前だから、株にしても1000万や2000万の損なん
て普通で、何億も損してる客も沢山いました。

私の支店の一課の筆頭セールスのTさんは、パチンコ屋を経営してるお客さ
んにワラントを買わせて、何億も飛ばして裁判になっていました。
それまで良好な関係でずいぶん可愛がられてきたようだが、すすめる株は全
部損、ワラントは紙くず、信頼関係でダマテンもOKとなれば、裁判までなる
のは必至です。当然の結末とは言え、悲惨なものです。

ダマテンというのは、信頼関係の出来上がってるお客さんの持ち株をセール
スマンの判断で、事後報告で売買することです。
儲かっているうちはいいですけど、これが大損してくると問題になります。
たまに、人間関係もできていない顧客の株を、黙って売買し問題になる馬鹿
な営業マンもいますが、これはダマテンとは言いません。
ダマテンは、事後報告で通ればダマテン。事後報告で通らないのは、これは
無断売買で首になるのです。
人間関係もできていないのに、黙って自分も持ち株を勝手に売買されれば誰
だって怒ります。でも、やっちゃう奴、実際にいたんです。

ワラントって商品は、当時の最悪の商品で、ディープアウトのオプション買
いみたいなものです。私もやらされましたが、一度として儲かった記憶があ
りません。今あってもやる気もしませんが、バカ高い手数料で顧客の金を溶
かし、その金は発行体と証券会社に入る、ろくでもない商品でした。

Tさんは別のお客さんで、公務員の客の退職金3000万円だか5000万円だかを、
そのワラントで1500円にしちまっていて、対応に困っていました。その後、
どうなったかよく覚えていないが、別の先輩が転勤になり、その引き継ぎで、
私などが後任の者ですなんて挨拶に行くと、当然客サイドは、「おい、俺の
あずけた5000万円どうなってる?」なんて聞いてきます。当然大損してるわ
けですが、先輩達は今幾らしてるとか、全然連絡していないようなことが、
ほとんどでした。

「えーと、今1800円です。」なんて引継ぎ者としては正直に言うしかないの
ですが、そうなると、「何!てめぇらぶっ殺すぞ!」なんてなたを振り回す
ような客もいました。当時は、商品の説明などろくにせずに大量に危ない商
品が販売され、バブルに群がった客も大損して、大変な状況になっていたの
です。

一方で、不動産バブルに敗れ、到底返せない何億もの負債を抱えて、「5000
万がゼロです」なんて言っても平気な客もいました。
「どうせ俺はもう借金で牢屋に入るしかねぇんだから、いいよ」なんてそん
な諦めの境地の顧客もいました。

まぁ、そんな感じで毎日恐ろしい出来事が入れ替わり立ち替わり、やってく
るのですが、まだまだ面白い話は続くのであります。




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